インタビュー

著名人からのインタビュー

オリーブオイルの愛好家は世界中にいます。様々な分野の方に美味しいだけではない、その人気の理由と使い方を語っていただきます。

【第2回】
オリーブオイルは料理の風味を底上げするような存在であって欲しい

料理家
栗原 友さん

好き嫌いをはっきり伝える潔さが気持ちいい。その友さんが胸を張って言うのが「とにかくオリーブオイルが大好き!」。料理家一家の長女は、築地に勤め、築地の嫁となり、一女をもうけ、日々新しい料理のアイデアを生み出している。その生み出す料理と同じ数だけオリーブオイルを使った料理の数も増え続ける、なぜならほぼすべての料理のオリーブオイルを使っているから。友さんにオリーブオイルの使い方を紹介していただいた。

何種類ものオリーブオイルを使い分けています

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― 栗原さんのレシピを拝見するとオリーブオイルがとても多いので、オリーブオイルがお好きなのが良くわかります。いつもどのくらい使われていますか?

栗原:
家中にある調味料の中で、オリーブオイルの消費がダントツで高いです。ほぼすべての料理にオリーブオイルを使っていますから。
とにかくたくさんの種類を置いていて、使い分けをしています。加熱用だったら、オリーブオイル(精製オリーブオイルとバージン・オリーブオイルをブレンドしたオイル)。仕上げにはエキストラバージン・オリーブオイルを使いますが、サラダにはこれ、肉にはこれ、パスタにはこれって具合に。
買うときに、テイスティングできるところでは、「これはあの料理!」って料理を想定しながら買うんです。とにかく、家でもすごく使うし、仕事でも使うので、いいなと思ったらすぐ買うようにしています。

― どのくらいの量を使いますか?

栗原:
とにかく、ダバダバ使う。家族3人ですけど、来客も多いので1か月に軽く500ml以上は使うでしょうね。

― 使い方は、海外に行かれた時などに学ばれたのでしょうか?

栗原:
いいえ。私、いろんな国に行っていろんな方々に会ってきましたが、私の方がよっぽどいろんな使い方をしていると思いますよ。

― そのオリジナリティあふれるオリーブオイルの使い方を教えてください。まずは、風味の強いオリーブオイルや、マイルドなオリーブオイルの使い分けなど。

栗原:
苦みの強いオリーブオイルは、サラダに使います。肉料理には、まろやかな味のもの。カルパッチョなどは、まろやかで香り高い物を選びます。

― 面白いですね。一般的には、サラダや魚料理には風味の優しいもの、肉料理などは風味の強いものといわれていますが。

栗原:
肉料理は純粋に肉の味を楽しみたいから、苦みはいらない。だからライト。魚も、魚の味を邪魔してほしくないからライトです。サラダは、オリーブオイル自体が野菜の風味を持っているから、香りや味が野菜と同化してよりおいしくなります。
これからは生ガキの季節でもありますが、これもオリーブオイルとレモンで食べます。カキのクリーミーさがつらいときに、オリーブオイルが中和してくれます。カキには、風味の強いものがオススメです。
オリーブオイルは、決して主役ではなく、料理の風味を底上げする存在であって欲しいと思っています。

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― 栗原さんといえば「魚」というイメージですが、魚とオリーブオイルのお料理のおススメをいくつか教えてください。最近の発見などありますか?

栗原:
もう、良さを知っていて、日常にあるものだから、特別な発見はないけど、最近作った料理でおいしかったのは、メヒカリのサラダ。メヒカリの一夜干しを魚焼きグリルで焼いて、それをサラダの上にのせて、オリーブオイルをかけたらすごくおいしかった。
それから、毎年自分で生筋子からイクラを作っているんですけど、オリーブオイルと塩とフレッシュハーブ(ディルとレモングラス)でイクラを漬け込んでおきます。それを、パンにチーズと一緒にのせて食べたら、これはとてもおいしくて、私、自分で天才だと思いましたよ。(笑)

家族中がオリーブオイル好き

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― ご家族のオリーブオイルの評判はいかがですか? お子さんがいらっしゃいますが、お子さんのためにもオリーブオイルを使ってらっしゃいますか?

栗原:
私は娘の離乳食を始めた初期からオリーブオイルを使っています。先日、離乳食のセミナーをやって、子供にオリーブオイルをあげているって言ったら、みんなびっくりしていました。日本では、子供に油分は使わない方がいいって言われているけど、私、外国人の友達が多いから、子供にオリーブオイルをあげるととってもいいよと聞いているんです。オリーブオイルと母乳の脂肪酸の構成は似ているといいますから、悪いはずはないですよね。香りもいいし、風味もあるし、ちょっといれるだけで味が変わるから、すごくいいです。

― 具体的にはどのように使われていますか?

栗原:
オートミールのお粥に入れたり、くたくたに煮た野菜にかけたり。トマトを刻んで、オリーブオイルとレモン汁と塩だけのサラダとか。きっとうちの子は、オリーブオイルが大好きだと思います。

― ご主人もお料理をされますか?

栗原:
主人も料理をしますが、だいたいアイデアを出して、私が作って、盛り付ける方が多いですね。面白いアイデアをくれますよ。最初に紹介したイクラのハーブ漬けは、実は主人のアイデアなんです。最近では、塩漬けの山椒をたたいてオリーブオイルと混ぜたものを、イカの刺身にのせるというのもありました。これもおいしかったですね。

― お二人のアイデアは尽きそうにないですね。他にもおすすめお料理を教えてください。

栗原:
肉料理で、生の豚タンをオリーブオイルでマリネして焼いたものもイケましたね。
サラダでは、人参、キヌア、緑豆、ザクロをオリーブオイルと塩だけで和えたものも好評でした。
それから、焼きナスに、ヨーグルトガーリックソースをかけ、その上にオリーブオイルをかけたものもおいしかった。もう、ジャバジャバとかける感じです。
野菜を見つけたら、とにかく焼いて、塩をかけて、オリーブオイルをかけて食べる。魚もだいたい焼いてオリーブオイルですね。
あるいは、弱火で煮てアヒージョにします。エビ、イカ、イワシもいいですね。
とにかくうちはオリーブオイルなしの食卓ってありえません。オリーブオイルさまさまです。

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原点は「オリーブオイル+しょうゆ」のおいしさ

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― そもそも、栗原さんのオリーブ愛って、どこから生まれたものですか?

栗原:
オリーブオイルを知ったのは、私が10代後半の時です。母の料理の撮影に来ていたカメラマンの方が「オリーブオイルと醤油の組み合わせが、何にかけてもおいしいんだよ」って教えてくれました。「何、それ?」って思って、すぐ買いに行って試したら、本当においしくて、それ以来ずっとオリーブオイルに夢中です。入院した時には病室にも持ち込んだくらい。もう、私からオリーブオイルを取らないでって。それくらい好き。
オリーブオイルと醤油の割合は、オリーブオイルをダバダバって入れて、醤油をちょろっと。オリーブオイルの比率が圧倒的に多い方がおいしいです。
よく、健康にいいから使うという方がいますが、私はあまり健康とか考えていなくて、とにかく味が好き! 結果、健康にいいというのは、願ってもないことですよね。

― ここまでオリーブオイルを愛してくださっていると、何かオリーブオイルにまつわるエピソードもお持ちなのではないですか?

栗原:
夫とまだ結婚する前でしたが、私がバレンタインにあげたチョコレートの、夫からのお返しが、実はオリーブオイルでした。私がオリーブオイル好きというのを知っていたからでしょうね。何軒も見て廻って、ボトルが素敵で味も良いものを選んでくれました。高かったと言ってましたね。格別においしかったですよ。
私も、いろんな方々へのプレゼントにオリーブオイルを使うことが多いです。その場合は、比較的、良く知られているブランドを選びますね。その方が安心するみたいです。ボトルが素敵だとセンスの良いプレゼントになりますよね。

― 海外でオリーブオイルに出会った体験談がありますか?

栗原:
数年前、地中海沿岸国のある展示会に行ったのですが、オリーブオイルばかり試食して回っていたら、ひとつお気に入りを見つけたんです。それでそのブースに通い詰めたら、代理店になってほしいといわれました。日本に帰って来てからも、代理店依頼のメールをいただいて。
あとね、ちょっと気難しそうなシェフのお店ってありますよね。高級ってわけではないけど、通が通うようなお店。気軽にシェフと話ができない感じなんだけど、出てきたオリーブオイルがとてもおいしかったので「このオリーブオイル美味しい!」って言ったら、それ以来すごく心を開いてくれました。これはわざわざ取り寄せたオリーブオイルなんだと、こだわりを延々と話してくれて。
オリーブオイルはあくまでも脇役。普通は話題にも上らないところまで力を入れているお店だったので、それをわかってくれたのがうれしかったのでしょうね。それ以来、仲良しのお店になりました。
オリーブオイルはコミュニケーションのツールとしても役立ってくれているということですよね。

栗原さん考案 オリーブオイルの料理の数々

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イカの刺身(山椒とオリーブオイル)

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キヌアのサラダ

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いいだこのアヒージョ

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豚タンのマリネ

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何でも焼いて、オリーブオイル!

プロフィール

プロフィール

栗原 友さん/料理家
ファッション誌のフリーライター、アタッシュドプレス、衣食住コンシェルジュとしての執筆の経験を経て料理家に。留学や旅行で出かけた国々で、料理を学ぶ。現地でのマーケット巡りは欠かさない。見聞きした料理は、日本の食材でも楽しめる様、簡単にアレンジしたレシピを提案している。母は料理研究家・栗原はるみ氏、父は、元キャスターの栗原玲児氏。料理家の栗原心平氏は弟。

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