インタビュー

著名人からのインタビュー

オリーブオイルは世界中に愛好家がいます。その人気と絶対的な美味しさを様々な分野の方に語っていただきます。

【第1回】
2000年以上も生き、実をつけるオリーブの生命力。そのパワーがすべて入っているのがオリーブオイル。

オリーヴァ内科クリニック
横山淳一 院長

オリーブオイルを日本に広めた立役者のひとりである。オリーブオイルの世界では知らない人はいない。横山先生の優しい語り口調と、その知識の深さ、クリニックの名前にもオリーブを冠するほどのオリーブへの愛に引きずり込まれ、会った人は必ずファンになる。 Believe in Olive Oilキャンペーンサイトの、記念すべき第1回目のゲストも、迷うことなく横山先生にお願いしたいと思った。
先生の知識は「オリーブオイルと健康」という枠には収まらない。もっと広い視野で、オリーブオイルの魅力を語っていただいた。

日本ではほとんど知られていない時期からオリーブオイルを研究

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― 横山先生のオリーブオイルへの愛に、いつもうっとりとしてしまうのですが、先生とオリーブオイルとの出会いを聞かせてください。

横山:
19歳で初めてイタリアに行った時、レストランのテーブルの上によくわからない油らしきものが置いてあった。それがオリーブオイルとの初めての出会いでした。それを料理にかけると料理がとてもおいしくなったのがとても印象的でしたね。1968年のことです。
その後、1980年に地中海クルーズで、今度はひどいオリーブオイルに出会ってね。オリーブオイルは貴重だから、何度も揚げ物に使っていたんでしょうね。こっちは船酔いしていたこともあって、ひどく辛い思いをしました。でも南仏に着いた時には、また素晴らしいオリーブオイルが待っていてくれて。オリーブオイルは良い使い方をすれば、人間に幸せをもたらすということが実感できました。
その後、1981年にローマで開催された「国際肥満学会」に参加した時に、油脂の取りすぎは肥満をもたらすというのが定説としてあったのですが、オリーブオイルだけは別物だと話題に上っていました。ここで、オリーブオイルは他の油とはまるで違うんだと再認識したわけです。
1992年に初めて日本の医学界で、「地中海式ダイエットによる栄養と健康 第2回心臓血管病のリスクファクター」というテーマのセミナーをするという話が持ち上がり、日本人の学者でこのテーマに興味を持っている学者はいないかと募集がかかったのですが、当時の日本にはまだ誰も興味を持っている人はいなかった。そういう時代だったんです。だから私がしゃべることになりました。「なぜ、現代日本人に地中海式ダイエットが必要なのか?」と。
世界では、とっくにオリーブオイルの多彩な健康効果が明らかになっていたので、私自身はすでにその頃は自分の食生活に地中海式を取り入れていました。
そこで、1994年には、自分が毎日実践している地中海型食事を紹介した「南イタリアの家庭料理」という本も出しました。それが徐々に受け入れられていった感じです。

― 先生がご自身の食生活をオリーブオイル中心の地中海式にされて、最も良かったことは何ですか?

横山:
おいしいことですよ。おいしいから続くんです。
でも、大事なことは、オリーブオイルが主役になってはいけないということ。オリーブオイルを油として使う地中海型食事法が健康をもたらすということなんです。

オリーブオイルは、健康に害を与えるというデータはひとつもない。

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― オリーブオイルの凄いところについての話をもっと聞きたいです。

横山:
男性も女性も、世界一の長寿の方は地中海型食事をしています。
122歳まで生き、人類史上最も長生きしたとされている女性、ジャンヌ・カルマンさん(1875-1997)は南フランスのアルルで生涯を過ごしました。彼女は長寿の秘訣を「アルルの空気とオリーブオイル」と答えています。かつて112歳という男性世界長寿記録を持っていたアントニオ・トッデ(1889-2002)さんは、イタリア、サルデーニャ島の出身で長寿の秘訣を「パスタと野菜スープ、毎日1杯のワイン」と語っています。オリーブオイル、パスタ、野菜スープ、ワイン。これが地中海食なんです。
どんなに科学が進歩してもオリーブオイル以上の油は作れません。なぜなら、生き物の中で一番長生きなのはオリーブの木です。オリーブ以外に2000年も、3000年も長生きしているものはありません。そんな古木になっても、オリーブはまだ実をつけるんです。オリーブオイルは、そんな素晴らしい木の実、皮、種を全部使っています。つまり、実のパワーがすべて入っているわけです。だから素晴らしい。
オリーブの実から、ポリフェノールだけとか、ビタミンEだけとか、都合の良いところだけとってもダメなんです。オリーブオイル全体のバランスが大切。さらにはオリーブオイルを含む食事全体のバランスが健康につながるんです。
オリーブオイルは2000年~3000年使われてきて、いまだかって健康に害を与えるというデータはひとつもありません。神様がくださった大切な実です。すべて使い切ることが大切なんです。それに、オリーブの木は、風で倒れてもまっすぐに立ち上がって、実をつけます。これがすごいところでしょう。
歴史的な人物もオリーブを愛してきました。
例えば、レオナルド・ダ・ヴィンチ。彼の名前はヴィンチ村のレオナルドという意味です。ヴィンチ村にはオリーブの木がたくさん植わっています。レオナルドは学校に行けない生い立ちだったのですが、オリーブオイルを搾る機会を発明しています。さらにキッチン用具もたくさん発明している。オリーブオイルの食事をしていたことは容易に想像できますよね。
もうひとり、ルノワール。ルノワールは人間愛の画家と言われ、楽園のような平和を描いた画家でもあります。南仏コレット荘でオリーブの木が伐採されるのを悲しんで、土地ごと買い取り、晩年はオリーブの木の下で絵を描いて過ごしました。
オリーブの木は、人を癒す効果もあります。気持ちを落ち着かせてくれるんです。
オリーブの木がなければ、地中海文明はあり得なかったとまで言われています。 オリーブの木は美しいです。日本でももっとオリーブの木を植えた方がいいと思いますよ。神様が人類に下さった素晴らしい贈り物なのですから。

和食と地中海食の最強コラボメニュー

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― 先生は糖尿病の専門のお医者様ですが、具体的にどうやって食事に取り入れるように患者さんに勧めておられますか?

横山:
オリーブオイルを中心にした地中海食を勧めています。具体的には、緑黄色野菜と豆類をとにかくたくさん摂りなさい。その食材をおいしく生かすのがオリーブオイルです、と指導しています。風味がいいので油の摂りすぎにもならない。とにかくおいしく食べられるのが一番いいことです。
日本では、ごはん、パン、麺、スイーツなどを制限して痩せようとする低糖質ダイエットが
人気ですが、米国の医学専門誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載された「ダイレクト研究」で、「地中海食」「低脂肪食」「低糖質食」の3つのダイエット法を2年間にわたって比較した結果が発表されていました。
すると、
地中海食 女性 6.2kg減 男性4.0kg減
低脂肪食 女性 0.1kg減 男性3.4kg減
低糖質食 女性 2.4kg減 男性4.9kg減
という結果が出ました。
さらに、どのくらいの方が継続できたかのデータでは、
地中海食 85.3%
低脂肪食 90.4%
低糖質食 78.0%
低糖質食は、継続できる割合が最も低いという結果です。
総合して考えると、効果が高い上に、継続もしやすい地中海食がダイエットに最も効果的であることが分かります。
地中海食は、低GI食で、砂糖も使わないから、インスリンの分泌を抑えられる。オリーブオイルを使うことで、摂取カロリーを減らさずに、新鮮な魚介類や豆類、乳製品などから良質のたんぱく質を摂取するので、腹持ちが良く、リバウンドがない。そして調理がとても簡単、といいことずくめです。

― なかなかすぐには地中海食に変えられない人もいるかと思いますが、和食と合わせることもできますか?

横山:
和食と地中海食をコラボさせた最強朝食メニューを紹介しますよ。
「発芽玄米の卵かけごはん」「果物と野菜のミックス」「ヨーグルトの蜂蜜がけ」です。
「発芽玄米の卵かけごはん」は僕のオリジナルメニューです。
発芽玄米は普通に炊いておきます。玄米よりも栄養価が高く、低GIなので発芽玄米にしていますが、玄米でも大丈夫ですよ。
冷たいフライパンにオリーブオイルをひき、卵を割り入れ、その周囲に皮ごと半分に切ったミニトマトを入れて、蓋をして弱火でゆっくり熱します。卵が半熟になって、黄身の上がうっすらと白くなったらOK。玄米ご飯の上にオリーブオイルごと乗せて、醤油を数滴たらしていただきます。
ここでのポイントは、フライパンを熱さずに、冷たいところにオリーブオイル、卵、トマトを入れ、弱火でゆっくり加熱してするところです。熱しすぎないことでオリーブオイルの成分を壊すことなく全部いただくことができます。卵も焦がさない方がタンパク質を変性させず効果的に摂ることができます。(レシピへ⇒
「果物と野菜のミックス」はいわゆる、グリーンスムージー。食べる直前にオリーブオイルを加えます。
「ヨーグルトの蜂蜜がけ」は、プレーンヨーグルトに蜂蜜を加えるだけ。これにはオリーブオイルは使いませんが、トータルでバランスの良い食事となっています。
実際に、質の良いオリーブオイルは和食ともよく合います。刺身などは、味の濃い醤油とわさびで食べるより、塩を振って、エキストラバージン・オリーブオイルをかけて食べるほうが、よほど魚のうまみが味わえます。
納豆も塩とオリーブオイルで味わってみてください。独特の臭みが消えて、うまみが引き立ちます。冷奴にはオリーブオイルと醤油を少しかけるとおいしくなります。 味噌汁に垂らして食べるのもいいですね。味に深みが増します。
いつもの食事にプラスするだけでおいしくなり、それが健康につながるのですから、今日から始めてほしいですね。

― 先生、今日は貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

プロフィール

プロフィール

横山淳一先生/オリーヴァ内科クリニック 院長
医学博士。千葉大学医学部卒。東京慈恵会医科大学内科学教授を経て、「オリーヴァ内科クリニック」を開業。日本糖尿病学会認定糖尿病専門医・指導医、日本内分泌学会認定内分泌代謝科専門医の指導医。なるべく薬に頼りすぎない診療をするため、オリーブオイルを使った料理を治療に取り入れている。「オリーヴァ内科クリニック」にはキッチン設備があり、管理栄養士さんもおり、患者さんのためのオリーブオイルを使った料理講座も実施している。クリニックの周囲には何本ものオリーブの木が植えられ、シンボルとなっている。地中海沿岸に健康食の原点を求めて研究。地中海の文化や料理についての著書も多数。

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