オリーブオイルと健康

オリーブオイルと健康

健康に良いとされるオリーブオイル。
では、実際どのような効果があるのか、
オリーブオイルと健康についての発表を見ていきましょう。

01 オリーブオイルと心血管疾患

動脈硬化症に基づく心血管疾患は、先進国において死亡原因のトップとされています。研究者は、動脈硬化症は食習慣、ライフスタイルや経済発展によってもたらされるいくつかの要因によって引き起こされていることを報告しています。動脈硬化の進行には多くの要因がありますが、最も重要視すべきものは、高い血中コレステロール、高血圧、糖尿病、喫煙です。
「... 冠動脈性心疾患による死亡の最も低い比率は、オリーブオイルを大量に消費している地域で記録されています。」
- フランシスコ・グランデ・コヴィアン教授

動脈硬化予防
オリーブオイルには、血栓および血小板凝集の形成を防止する効果があることが実証されています。オリーブオイルをたくさん摂取する地域では、心筋梗塞の発生率が低く、オリーブオイルの摂取が血栓形成を減らすことが観察されています。
コレステロールをコントロール
オリーブオイルは、血中総コレステロール、LDLとトリグリセリドのレベルを低下させ、HDLのレベルはキープする働きがあります。

02 オリーブオイルの抗酸化特性

私たちの体内では、フリーラジカル(活性酸素)が絶えず発生し、体は酸化していきます。「酸化ストレス」は、正常な細胞機能の低下を引き起こし、さらには細胞死をもたらすといわれています。
細胞膜は、脂肪酸とコレステロールによって大部分を構成されています。
それらの構成成分は、食事によって強く影響を受けます。オリーブオイルを多く含む食事によって、細胞は酸化に対して耐性を持ち、老化のスピードを遅らせる効果があります。
オリーブオイルに含まれる抗酸化ビタミンE(α-トコフェロール)、カロテノイドおよびフェノール化合物は、特定の疾患の予防に効果のある抗酸化物質です。
オリーブオイルのフェノール含有量は、生産地における気候条件に応じて変化します。血小板凝集を阻害するためのフェノール類は、抗炎症作用など多様な生物学的特性を有しています。オレウロペインには、強力な血管拡張作用があり、抗菌にも高い効果を発揮します。
地中海食にみられる高い抗酸化作用を持つ食品は、長寿に大きく貢献しています。
一般的に、抗酸化物質は、新鮮な果物や野菜から発見されています。
オリーブオイルは果実から得られる油であるため、抗酸化作用やビタミンの効果をもっているわけです。精製されていないオリーブオイルは、これらの物質が特に豊富であり、癌の形成にも対応しうる強力な抗酸化作用を持っています。

03 オリーブオイルと癌

疫学的研究では、オリーブオイルは、乳癌や前立腺癌、子宮内膜や消化管の癌を予防しうる効果を持つことがわかってきました。
特に、乳癌、大腸癌、結腸癌に対する効果が認められています。さらに、メラノーマの発生率を減少させることから、皮膚癌にも有効であると考えられています。他にも、食道扁平上皮癌や白血病などに対しての予防効果も報告されています。

04 オリーブオイルと血圧

高血圧は、冠動脈疾患危険因子の一つであり、高コレステロール、喫煙、肥満および糖尿病とともに、重大な健康問題の一つとされています。
今日、成人の4 人に1人が高血圧といわれ、心臓や腎臓、脳や目などに血液を供給する動脈を損傷することにより、早期死亡のリスクを増加させています。

オリーブオイルが、血圧を低下させるシステムについてはまだ解明されていませんが、どの食事療法によっても改善されなかった高血圧患者にオリーブオイルを追加した食事を提供したところ、明らかに血圧が低下したことが実証されています。オリーブオイルを規則的に摂取することは、血圧の最高値および最低値の両方を改善する効果があります。

05 オリーブオイルと糖尿病

糖尿病は、心血管疾患、腎不全、失明、末梢循環障害、などの深刻な症状をもたらし、多くの合併症を引き起こす可能性がある、非常に深刻な代謝性疾患です。先進国で死因とされる病気の6番目になっており、今日、重大な健康問題の一つとなっています。
オリーブオイルを多く摂取する食事は、糖尿病治療の代替手段とされるだけでなく、疾患の発症を予防または遅延させるのに役立っています。オリーブオイルを摂取することにより、インスリン抵抗性とそれにともなう有害な影響を防止します。
飽和脂肪を極力抑え、果物、野菜、豆類、穀物から炭水化物や水溶性食物繊維を摂取し、オリーブオイルを多く使用した食事をとることは、血糖コントロールを改善し、インスリン感受性を高めます。それによって、糖尿病患者のために最も効果的であることがすでに実証されています。

06 オリーブオイルと免疫システム

オリーブオイルは、免疫系において重要な役割を果たしていることが証明されています。
免疫システムとは、毒素、微生物、寄生虫、腫瘍過程などの異物の侵入から体を守る働きのことです。オリーブオイルの摂取は、微生物、細菌やウイルスなどの外部からの攻撃に対する免疫を強化していることが発表されています。
関節リウマチは、関節に影響を与える原因不明の慢性炎症性免疫疾患です。遺伝子や感染性因子、ホルモン、食事などが発症の原因とされています。
最近の研究では、オリーブオイルを摂取していない人は、オリーブオイルを多く摂取している人よりも、関節リウマチになるリスクが2.5倍以上もあることがわかりました。関与するメカニズムはまだ明らかではありませんが、オリーブオイルの抗酸化作用の働きによるものと推測されています。

07 オリーブオイルと消化器系

オリーブオイルを食べるとすぐに、オリーブオイルが体内で移動する消化器系に沿ってありがたい効果が発揮されます。それは各種消化器疾患ごとの、疫学的研究および科学的データによって実証されています。
オリーブオイルは胃の運動を抑制することで、食べたものをゆっくりと十二指腸に送り込み、満腹感を与えると同時に腸における栄養分の消化と吸収を助けます。

また、オリーブオイルには、胆嚢の胆汁を確実に排出する作用が認められており、胆管の障害の治療と予防において役立っています。
さらに、肝臓において、胆汁酸塩の合成を刺激し、肝臓から排出されるコレステロールの量を増やすことにより、脂質の消化を促進し、胆石の発症を防止する効果を持っています。

オリーブオイルはすい臓に対しても、その働きをサポートすることが認められ、すい臓障害、慢性すい炎、嚢胞性線維症、吸収不良症候群などの予防に効果的だとして、すい臓機能を維持するための食事に推奨されています。

オリーブオイルに含まれるシトステロールは、小腸によるコレステロールの吸収を防ぐと同時に、カルシウム、鉄、マグネシウムなどさまざまな栄養素の吸収を助けます。消化・吸収に優れた油脂であり、便秘や口臭予防にも効果的です。

08 オリーブオイルと妊娠と乳幼児

オリーブオイルは、妊娠中の胎児の発達に重要な役割を果たしています。
ある研究によると、妊娠中にオリーブオイルを摂取した母親の赤ちゃんは、出生後の身長、体重、行動や精神面での反応の点で優れていることにより実証されています。胎児が成長するためにはビタミンEが必要なことから、妊娠中の食事で十分にオリーブオイルを摂取することが推奨されます。

また、生まれたばかりの子どもの発達のためには十分な必須脂肪酸を摂取しなければなりません。オリーブオイルのリノレン酸(必須脂肪酸)に対するリノール酸の比率は、乳児に必要とされる母乳とほぼ同じです。

オレイン酸の効果は、妊娠期間だけではありません。幼児期から形成される高コレステロール血症やアテローム性動脈硬化症の予防に有効とされており、乳幼児期の身体や骨の成長に欠かせない脂肪酸です。

3歳未満の子どもが消費するエネルギーの約40%は、母乳やミルクの脂肪からもたらされます。健康に成長していくためにも、オリーブオイルを多くとる食事を維持することをお勧めします。

09 オリーブオイルと老化

オリーブオイルには、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質が豊富に含まれていることから、フリーラジカルや慢性疾患に関与する分子を排除するため、老化防止、長寿に効果的であることが疫学的にも実証されています。

オリーブオイルはカルシウムの吸収を助ける働きがあるため、多く摂取することで骨の再生化を促進します。骨粗しょう症の予防に効果的であると同時に、成長期の若者の骨の発達にも重要な役割を果たします。

オリーブオイルと高齢者対象の認知機能調査で、オリーブオイルの多い食事は、加齢による認知機能の低下を防止することが認められました。一価不飽和脂肪酸は、脳の細胞膜の構造を維持するのに役立つ可能性があるためにこの効果が得られると考えられています。加齢による認知症だけでなく、認知症、アルツハイマー病の予防にも効果があることも観察されています。

10 オリーブオイルと肌

太陽光などの外部要因によって、皮膚でもフリーラジカルが発生し、老化がスピードアップします。人の細胞には、これらのリスクを抑制し、細胞の損傷を抑える機能があるのですが、オリーブオイルが持つ成分にも、それと同様の機能があります。

オリーブオイルは、ポリフェノールに加え、フリーラジカルに対抗して身体の酸化を抑制するビタミンE、および、ビタミンA、D、Kを多く含むため、にきびや乾癬、脂漏性湿疹などの皮膚障害の治療を補うものと考えられています。

監修:オリーヴァ内科クリニック院長 横山淳一 先生

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