オリーブオイルの規格

IOCによるオリーブオイルとオリーブポマースオイルの呼称と定義

バージン・オリーブオイル

バージン・オリーブオイルとは、オリーブ樹(Olea europaea L.)の果実から機械的または物理的な手段のみにより、オイルを変性させない条件下(特に温度条件)で得られたオイルであり、洗浄、デカンテーション、遠心分離、濾過以外の処理を経ていないものを指す。

そのままで食用に適するバージン・オリーブオイル
エキストラバージン・オリーブオイル

遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中0.8グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーに相当する特性と一致するオイル。

バージン・オリーブオイル

遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中2グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーに定められた特性と一致するオイル。

オーディナリーバージン・オリーブオイル

遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中3.3グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーの特性と一致するオイル。
このカテゴリーのオイルは、小売りが行われる国において、法的な許可がある場合にのみ、消費者に販売される。
許可がない場合は、その国の法律に準拠するものとする。

そのままでは食用に適さないバージン・オリーブオイル
ランパンテバージン・オリーブオイル

遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中3.3グラムを超え、かつ(または)その官能特性が、IOC規格における当該カテゴリーで定められている官能特性を有するオイル。精製されるか工業用途に用いられる。

精製オリーブオイル

精製オリーブオイルは、バージン・オリーブオイルから、当初のグリセリド構造の変化につながらない精製法によって得られたオイル。
遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中0.3グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーに定められている特性と一致するオイル。
このカテゴリーのオイルは、小売りが行われる国において、法的な許可がある場合にのみ、消費者に販売される。

オリーブオイル

オリーブオイルは、精製オリーブオイルとバージン・オリーブオイルをブレンドしたオイル。遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中1グラム以下で、 その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーの特性と一致するオイル。国によっては、より具体的な呼称が求められる場合がある。

オリーブポマースオイル

オリーブポマースオイルは、オリーブポマースを溶剤もしくは他の物理的方法で処理して得られたオイルであり、再エステル化プロセスで得られたオイルや別の種類のオイルと混合されたオイルを除く。販売にあたっては、以下の呼称と定義に従う。

クルード・オリーブポマースオイル

特性が、IOC規格における当該カテゴリーに定められた特性と一致するオイル。
精製して食用にするか、工業用途に用いられる。

精製オリーブポマースオイル

クルード・オリーブポマースオイルから、当初のグリセリド構造の変化が起らない精製法によって得られたオイル。
遊離酸度がオレイン酸換算で100グラム中0.3グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーに定められた特性と一致するオイル。このカテゴリーのオイルは、小売りが行われる国において、法的な許可がある場合にのみ、消費者に販売される。

オリーブポマースオイル

精製オリーブポマースオイルと、そのままで食用に適するバージン・オリーブオイルをブレンドしたオイル。
遊離酸度が100グラム中1グラム以下で、その他の特性が、IOC規格における当該カテゴリーに定められた特性と一致するオイル。
国によっては、より具体的な呼称が求められる場合がある。

バージン・オリーブオイルの官能的評価の方法

インターナショナル・オリーブ・カウンシル(IOC)のバージン・オリーブオイル官能評価方法をご紹介いたします。

「SENSORY ANALYSIS OF OLIVE OIL METHOD FOR THE ORGANOLEPTIC ASSESSMENT OF VIRGIN OLIVE OIL」 COI/T.20/Doc. No 15/Rev.7 February 2015 ENGLISH Original: FRENCH
※Believe in Olive Oil 事務局が英語版を翻訳(仮翻訳)


 

1 目的

この「方法」の目的は、バージン・オリーブオイルの官能特性を評価するための方法を決定し、それらの特性に基づく鑑別方法を国際的に確立することにある。

2 適用範囲

ここに記述されている方法は、バージン・オリーブオイルとその鑑別にのみ適用できるものである。鑑別は、パネルとして選抜・訓練されて監視下にあるテイスターのグループによって判定されるものであって、知覚されるオイルの欠陥と“フルーティ”さの強さに基づくものである。

ここに記述されている方法は、任意的なラベル表示のための指標ともなるものである。

3 官能分析のための一般的な基礎用語

IOC規格「COI/T.20/Doc. no. 4」 の「Sensory Analysis: General Basic Vocabulary(官能分析:一般的な基礎用語)」を参照のこと。

4 バージン・オリーブオイルのための特定の用語

●4.1 ネガティブな属性
Fusty/muddy sediment嫌気性発酵臭/泥状沈殿物臭

嫌気性発酵が進む条件下で山積み、または貯蔵されたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。または、地下のタンク底の沈殿物と接触して嫌気性発酵が進んだオイルに特徴的な臭い。

Musty-humid-earthyカビ臭/湿気臭/土臭

オリーブ果実が湿度の高い環境に数日貯蔵された結果、大量の菌類や酵母が発生したオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。もしくは、土や泥と一緒に採取され、洗浄されていないオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。

Winey-vinegary acid-sourワイン臭/ビネガー臭/酸酢臭

ワインまたはビネガーを連想させるオイルに特徴的な臭い。この臭いは主としてオリーブ果実あるいはオイルペーストの好気性発酵プロセスに起因するもので、使用後適切に洗浄等が施されていなかった圧搾マットに残ったオリーブペーストから、酢酸、酢酸エチル、エタノールが生成することによるものである。

Rancid酸敗臭

強い酸化プロセスを経たオイル特有の臭い。

Frostbitten olives (wet wood)霜害オリーブ果実臭(ウエット・ウッド)

樹上で霜害を受けたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。

●4.2 その他のネガティブな属性
Heated or burnt加熱臭または焦げ臭

搾油プロセス時に過剰にあるいは長時間加熱されたオイルに特徴的な臭い。特にペーストを不適切な温度環境で攪拌する時に発生しやすい。

Hey-wood乾草臭/木臭

乾ききったオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。

Rough不快臭

古いオイルで粘度が高く、ペーストのように粗い口内感覚。

Greasyグリース臭

ディーゼル油、グリース、あるいは鉱油を連想させるオイルの臭い。

Vegetable water植物性水分臭

発酵プロセスが進行した植物性水分と長時間接触した結果、付いたオイルの臭い。

Brine塩水臭

塩水中に保存したオリーブ果実から作られたオイルの臭い。

Metallic金属臭

金属を連想させる臭い。破砕、ミキシング、圧搾、貯蔵などの過程で金属表面に長時間接触したオイルに特徴的な臭い。

Espartoエスパルト(圧搾マット)臭

新しいエスパルト・マットで圧搾されたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。この臭いは、グリーン・エスパルトか乾燥エスパルトかで異なる。

Grubby虫害臭

オリーブミバエ(Bact rocera oleae)の幼虫に甚だしく食害されたオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な臭い。

Cucumberキュウリ臭

オイルが必要以上に長く密封された時、特にスズの容器中で生成する臭い。これは、2,6ノナジエナールの生成によるものである。

●4.3 ポジティブな属性
Fruityフルーティ

熟度に関係なく健全で新鮮なオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な嗅覚的感覚の香りであり、品種によって異なる。嗅覚で直接に感知されるが、鼻の奥で感じられる場合もある。

Bitter苦味

緑色あるいは着色しつつあるオリーブ果実から作られたオイルの基本的な味で、舌のVゾーン上の有郭乳頭で感じられる。

Pungent辛味

クロップイヤー(収穫年)の初期に、主として未成熟なオリーブ果実から作られたオイルに特徴的な触覚的刺激。口腔全体で感じられるが、特に喉を強く刺激する。

●4.4 任意でラベルに表示できる用語

パネルリーダーは、要請に応じて、評価されたオイルが各属性の強さと知覚に従って、以下の形容詞に対応する定義と範囲に適うかどうかを保証することができる。

ポジティブな属性(フルーティ、苦味、辛味)

知覚の強さに対応

  • Intense(強) ……… 属性の中央値が6 以上
  • Medium(中) ……… 属性の中央値が3と6 の間
  • Light(軽) ………… 属性の中央値が3 未満
Fruityフルーティ

熟度に関係なく健全で新鮮なオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、品種によって異なる。嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で感じられる場合もある。

Greenly fruityグリーン・フルーティ

青い果実を連想させるオイルに特徴的な香り。品種によって異なるが、健全で新鮮な緑色のオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で感じられる場合もある。

Ripely fruityライプ・フルーティ

完熟した果実を連想させるオイルに特徴的な香り。品種によって異なるが、健全で新鮮なオリーブ果実から作られたオイルの香りであり、嗅覚を直接刺激するが、鼻の奥で感じられる場合もある。

Well balanced好バランス

嗅覚と味覚と触覚におけるバランスの欠如を感じさせないオイル。“苦味”“辛味”の中央値が “フルーティ”の中央値を2 ポイント以上上回る。

Mild oilマイルド・オイル

“苦味”“辛味”の中央値が2 以下のオイル。

5 オイル・テイスティング・グラス

IOC規格「COI/T.20/Doc. no. 5」の「Glass for Oil Tasting(オイル・テイスティング・グラス)」を参照のこと。

6 検査室

IOC規格「COI/T.20/Doc. no. 6」の「Guide for the Installation of a Test Room(検査室設置ガイド)」を参照のこと。

7 用具類

以下の用具類は、テイスターにとって、任務を適切に果たすために必要なものであり、各ブースに提供され、各テイスターの手の届く範囲に配置されるものとする。

  • サンプルを入れた所定のグラス。
    コード番号を付され、時計皿で覆われている。
    温度は28 度±2 度に保持すること。
  • プロフィール・シート(図1参照)のハードコピーまたはソフトコピー。
    プロフィール・シートの条件が満たされていれば、使用法についての指示を添付。
  • ペン、または消せないインク。
  • リンゴのスライス、水、炭酸水、ラスクなどを並べたトレー
  • 室温の水の入ったグラス
  • セクション9.4と10.1.1に列記されている一般規則を確認するためのシート
  • オイル等を吐き出すための紙コップ

8 パネルリーダーとテイスター

●8.1 パネルリーダー

パネルリーダーは、適切な訓練を受けた人物であり、仕事で出会う種々なオイルについての専門知識を備えていなければならない。パネルの中心人物として、組織運営に責任を持つ。

パネルリーダーには、官能評価の用具と手腕についての基本的な訓練が必要である。また、評価の準備や実施を周到に行う能力、科学的な検査に必要な手腕と忍耐力も必要となる。

パネルリーダーは、テイスターの選抜、訓練、監視を一人で担当し、テイスターの能力レベルを確認・査定しなければならない。査定は常に客観的でなければならないので、テストに基づく具体的な手続きを作成する必要がある。また、可否の基準を明確化する必要がある。IOC規格「COI/T.20/Doc. no. 14」の「Guide for the selection, training and monitoring of skilled virgin olive oil tasters(熟練バージン・オリーブオイル・テイスターの選抜、訓練、監視の手引き)」を参照のこと。

パネルリーダーは、パネルの成績と評価に責任を持ち、評価については、確かな客観的根拠を示さなければならない。いかなる場合でも、常にテイスターをコントロールする必要がある。パネルの定期的な補正が推奨される(IOC規格「COI/T.20/Doc. 14/Rev 4, § 5」)。

パネルリーダーは、パネルの記録保存に責任を有する。これらの記録は常に経過を辿ることができるものでなければならない。国際的な官能評価基準で決められた品質要求事項を守るとともに、サンプルの匿名性を常に確保しなければならない。

パネルリーダーは、在庫管理に責任を持つとともに、この「方法」の細則および官能評価条件に準拠するための装置や器具の維持管理にも最善を尽くし、その証拠を文書化して保管しなければならない。

パネルリーダーは、サンプルの到着時点から、その受け入れと保管に責任を持つとともに、評価後の貯蔵にも配慮する。その際、サンプルの匿名性を常に確保するとともに、適切な保管を行う。そのための手続きを文書化するとともに、プロセス全体の経過を辿れるように保証しなければならない。

さらに、パネルリーダーは、サンプルの準備とコード化およびテイスターへの提示を担当する。その際、事前に決めたプロトコルに沿って作成された適切な試験のデザインに従うこと。また、パネルリーダーは、テイスターが入手したデータの組み立てと統計処理にも責任を持つ。

パネルリーダーは、この基準を補完してパネルの機能を万全にするために必要となり得るその他全ての方法の作成とそれを文書化する責任を有する。パネルリーダーは、パネルによるバージン・オリーブオイルの評価結果を他のパネルの評価結果と比較して、評価の適切性を確実にする方法を探さなければならない。

パネルメンバーであるテイスターの関心、好奇心、競争心を刺激してモチベーションを高めるのはパネルリーダーの義務である。そのため、パネルリーダーは、メンバーとの双方向コミュニケーションを円滑にして、職務の内容と成果を常に知らせなければならない。また、自分の意見を知られないようにするとともに、リーダー候補が自分の基準を他のテイスターに押し付けないように配慮すべきである。

パネルリーダーは、十分な時間的余裕を持ってテイスターを招集しなければならない。また、試験の成績についての問い合わせにも答えなければならないが、サンプルについての意見を示唆すべきではない。

●8.1.1 パネルの副リーダー

パネルリーダーは、公正な手続きを経て、検査成績に関する義務を代行できる副リーダーに地位を譲ることがある。交代要員には、パネルリーダーに求められる全ての手腕が必要となる。

●8.2 テイスター

オリーブオイルの官能検査でテイスターの役目を果たす人々は、自発的でなければならない。それゆえ、候補者は申請書を提出することが望ましい。候補者は、サンプルを鑑別する手腕に従って、パネルリーダーにより、選抜・訓練・監視されることになる。手腕は訓練によって向上することを肝に銘じるべきである。

テイスターは、個人的な好みを忘れて、自分が知覚したことのみを報告し、責任あるテイスターとして振る舞わなければならない。そのため、常に冷静に、リラックスし、落着いて検査に望まなければならない。そして、サンプルに全神経を集中させなければならない。

一回の検査には8名から12名のテイスターが必要となるが、突然の欠席者に備えて補充要員も確保しておくべきである。

9 検査条件

●9.1. サンプルの提示

検査するオイルのサンプルは、所定のテイスティング・グラス(IOC規格「Glass for oil tasting(オイル・テイスティング・グラス)」)で提示されるものとする。

このグラスにはオイルを14~16ミリリットル(12.8~14.6グラム)入れ、時計皿で蓋をする。

各グラスを、番号、または文字と番号のランダムな組み合わせでコード化する。このコード化に使用する素材は、無臭でなければならない。

●9.2. 検査とサンプルの温度

検査するオイルのサンプルの温度は、検査中、常に28 度±2 度とする。その理由は、室温よりも官能的な差が分かりやすくなるからである。また、低温では、各オイルに特有のアロマ化合物が気化しにくくなり、高温では加熱されたオイルに特有の揮発性化合物が形成されるからである。グラスに入れたサンプルの加熱方法については、IOC規格 「COI/T.20/Doc. No 5」の「Glass for oil tasting(オイル・テイスティング・グラス)」を参照のこと。

検査室の温度は、20度から25度とする。(IOC規格の「COI/T.20/Doc. No 6」参照)

●9.3. 検査の時間

オイルのテイスティングには朝が最も適している。朝が一日のうちで味と香りを感じるのに最適なタイミングであることは証明されている。食事前は、嗅覚と味覚が鋭くなり、食後には鈍くなる。

しかしながら、この基準を重視し過ぎると、テイスターの集中力が空腹感で弱まってしまう恐れがある。それゆえ、テイスティングは午前10 時から正午の間に実施することが望ましい。

●9.4. テイスターの一般的な行動規範

作業中のテイスターの行動については、以下の事柄が推奨される。

テイスターは、パネルリーダーに官能検査への参加を要請されたら、以下の項目に注意して所定の時間に参加すべきである。

  • 所定の開始時刻まで30 分を切ったら、タバコやコーヒーを控えること。
  • 香水、化粧品、石鹸は匂いが残るので使用しないこと。手洗いには無臭石鹸を使用し、よく洗い流すこと。
  • 所定の時刻まで1時間を切ったら食事を控えること。
  • 体調が悪く、特に嗅覚と味覚に影響が出ていたらテイスティングを辞退して、その旨をリーダーに伝えること。心理的なショックで集中力に欠ける場合も同じ。
  • 以上の点で問題がなければ、テイスターは静かに落ち着いて自分の席につくこと。
  • プロフィール・シートに書いてある指示を注意深く読み、十分心の準備ができるまでテイスティングを始めないこと。疑問点はリーダーに個人的に尋ねること。
  • 作業中は静粛にすること。
  • 携帯電話は電源をオフにすること。

10 官能評価とバージン・オリーブオイルの鑑別方法

●10.1. テイスティングのテクニック
10.1.1.

テイスターは、グラスを取り上げ、時計皿で蓋をしたままそっと傾ける。そのままの位置でグラスを回し、内側をできるだけオイルで湿らせる。この作業が終わったら蓋を取って匂いを嗅ぐ。評価のためゆっくりと深く息を吸い込むが時間は30 秒以内とする。その間に結論が出なかったら、少し休んで再度試みる。

嗅覚テストが終わったら、口腔の感覚(レトロネイザルな鼻の奥の嗅覚全般、味覚、触覚のすべて)による評価を行う。そのため、オイルを3ミリリットル程度口に含む。オイルを口腔内全体に回すことが非常に重要。口と舌の前部から両脇を経由して後部に到達させ、口蓋から喉に至らせる。このようにする理由は、周知のように、舌、口蓋、喉の位置によって味覚や触覚の知覚の強さが変化するためである。

ここで強調しておくべきことは、苦味と辛味が感じられる順序に注意しつつ、十分な量のオイルをゆっくりと舌の奥から口蓋と喉に送り込むということである。これを怠ると、オイルによっては、苦味も辛味も感じられないままになってしまう恐れがあるばかりか、辛味によって苦味が消されてしまう可能性もある。

短く連続的に口から空気を吸い込むと、サンプルを口全体に広げることができるだけでなく、鼻の奥で揮発性の芳香族化合物を感知することが可能になる。

注記
(Decision No DEC-18/100-V/2013によって暫定的に採用され、 Decision NoDEC-6/S.ex.23-V/2015によって改定) :
テイスターがあるサンプルに“フルーティ”さを感じず、ネガティブな属性鑑別の強さが3.5以下の場合は、リーダーの権限で、そのサンプルを室温で再度テイスティングさせることができる(COI/T.20/Doc. No 6/Rev. 1, September 2007, section 3 – General specifications for installation)。その間に室温のコンテキストとコンセプトを特定化する。そのサンプルが室温に達したら、テイスターは再評価して“フルーティ”さが感じられるかどうかだけをチェックする。感じられたら、その強さを記録する。

辛味の触覚的感覚は、考慮されるべきである。そのためには、オイルを飲み込む方がよい。

10.1.2.

バージン・オリーブオイルの官能評価を行う際、各セッションで最大4種類のサンプルを評価すること、および一日のセッション数は3回に留めることが推奨される。これは、テイスティングの間隔が狭まることによる対比効果を避けるためである。

連続的にテイスティングを行うと、疲労するだけでなく、前のオイルによって感覚が鈍るので、口に残ったオイルを洗い流した方がよい。

リンゴのスライスは噛んだら紙コップに吐き出し、少量の室温水で口に残ったオイルを洗い流してもよい。セッションとセッションの間には少なくとも15分の休憩を挟むこと。

●10.2. テイスターによるプロフィール・シートの使用

テイスター用のプロフィール・シートについては、詳細が図1で説明されている。

パネルの各テイスターは、対象のオイルの香りを嗅ぎ、次に味見する(注1)。次にネガティブな属性とポジティブな属性の強さを、プロフィール・シート上の10 センチのスケールに記録する。

テイスターが、セクション4 に列挙されていないネガティブな属性を感じたら、最も正確な表現で「その他」に記録すること。

(注1)直接的な嗅覚によって極度に強いネガティブな属性に気付いた場合は、テイスティングを控えてもよい。この場合、この例外的な状況をプロフィール・シートに記録すること。

●10.3. パネルリーダーによるデータの使用

パネルリーダーは、テイスターが記入を終えたプロフィール・シートを集め、各属性の強さをレビューする。異常が認められたら、テイスターにシートを見直してもらい、必要に応じて再検査してもらうこと。

パネルリーダーは、各パネルメンバーの評価データを、この「方法」の付録と同様のコンピュータ・プログラムに入力する。その際、分析結果を、中央値に基づいて統計的に計算することを視野に入れる。この「方法」のセクション10.4と付録1を参照のこと。与えられたサンプルのためのデータを、マトリックスの助けを借りて入力する。このマトリックスは、9コラムと9 つの感覚的属性で構成されている。

一つの欠陥が、少なくとも50% のパネルメンバーによって「その他」に入れられたら、リーダーは、その欠陥の中央値を計算し、対応するカテゴリーに入れる。

鑑別(強さが最大の欠陥とフルーティな属性)を決める変動係数は20%以下でなければならない。

20%を超える場合、パネルリーダーは、そのサンプルの評価を、別のテイスティング・セッションで繰り返さなければならない。

こうした状況が頻発する場合、パネルリーダーは、テイスターに具体的な追加研修を受けさせた方がよい(IOC規格の「COI/T.20/Doc. No 14/Rev. 4, November 2012, § 5」)。また、再現性指標と偏差指標を使ってテイスターの成績をチェックした方がよい(IOC規格の「COI/T.20/Doc. No 14/Rev. 4, November 2012, § 6」)。

計算方法は、付録*の中に示されている(Decision No DEC-18/100-V/2013によって暫定的に採択)。

●10.4. オイルの鑑別

オイルは、欠陥の中央値と“フルーティ”の中央値に従い、以下のように等級づけされる。欠陥の中央値は、最も強く感じられた欠陥の中央値と定義され、欠陥の中央値と“フルーティ”の中央値は小数第1位まで表現される。

オイルは、欠陥の中央値と“フルーティ”の中央値を下に示す参考範囲と比較して等級づけされる。この方法のエラーは、すでにこうした範囲の限界を決めた時点で考慮されている。それゆえ、これらの範囲は、絶対的であると考えられている。ソフトウエア・パッケージは等級づけを統計表またはグラフとして表示することを可能にするものである。

(a) エキストラバージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値がゼロで“フルーティ”の中央値がゼロを超えるもの。

(b) バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値がゼロを超え、3.5 以下で、“フルーティ”の中央値がゼロを超えるもの。

(c) オーディナリー・バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値が3.5 を超え、6.0 以下のもの、または欠陥の中央値が3.5 を超えず、“フルーティ”の中央値がゼロのもの。

(d) ランパンテ・バージン・オリーブオイル:
欠陥の中央値が6.0 を超えるのもの。

注記:“苦味”と“辛味”の両方あるいは“苦味”と“辛味”どちらか一方の中央値が5.0 以上の場合、パネルリーダーは、検査証にその旨を記載する。

コンプライアンスを監視することを意図した評価のため、あるテストが行われる。再検査の場合には、パネルリーダーは、評価が別のセッションで並行して行われるよう手配しなければならない。属性の中央値は、両方のテストにおける全てのプロフィール・シートのデータを基礎として計算されることになる。

官能特性に関して宣言されたカテゴリーをパネルが確認しない場合は、利害関係者の要請で、国の当局またはその代表が、他の承認済みパネルによって速やかに2つの対抗評価を実施することになる。このうち少なくとも一つは関連生産国メンバーによって承認されたパネルによって実施される。少なくとも二つの再検査が宣言された等級を確認すれば、関連する特徴は、宣言された特徴と一致するものと見なされる。そのような結果とならなかった場合、利害関係者は再検査の費用に責任を持つことになる。

●図1

*付録はここに記載しておりません。

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